2009年6月25日木曜日

「芸術文化支援施策に関する規範を考える」グループ 第2回


「芸術文化支援施策に関する規範を考える」グループ 第2回会合記録
2009年6月19日(金)18時40分~ 東京大学本郷キャンパス法文1号館217号室

・ テーマ;「芸術文化の規範とは何か」
・ 発表者; 松浦耕平さん、 芳賀久雄さん、 島田圭一さん

1.問題提起の確認
; 「芸術文化」という言葉に対してイメージすることは、人によってまちまちであり、一つの定義をもたせることは、そもそも不可能なのではないかと自分は思っ ている。だから先に共通基盤を作るのではなく、それぞれの立場や差異を明確にしていくというアプローチを自分は採用したい。

2.プレゼンテーション
■松浦耕平さん
「芸術文化」と言っても幅広いが、自分の芸術文化に対する思い出を振り返ると、そこには「人の生き方」が必ず伴っている。芸術文化は人間から離して考えることはできない。そこを出発点とし、自分にとっての論点を見つけ出してみたい。
①人間関係
「芸術文化を支援する」ということは、芸術文化に携わる人々を支援する、ということ。芸術文化には必ず人間関係(他者とのコミュニケーション)が伴い、そのことが芸術文化を持続的なものにしている。
②東京中心の芸術文化政策
国の政策は、常に東京中心に考えられていくことが自分にとっては疑問。しかし人的資源も東京に偏ってしまっている。
③政策と現場との乖離
自分の偏見かもしれないが、国の政策は一部の専門家により独断的に決められているイメージがある。実際に実務に関わる芸術の現場の人とはかけ離れているのではないか。政策と実務との間にコンセンサスはとれているのか。

■芳賀久雄さん
市役所の文化振興課に7年ほど勤務した。このたび文化協会の運営について考えることとした。
横須賀文化協会は横須賀市内で活動する芸術団体をとりまとめ、行政とのかけはしとしての役目を行なう機関。しかし「一般には、あまり情報を発信していない」ように見受けられる。その原因としては、
・役員の高齢化(ほとんどの役員が70歳以上)
・市の「文化振興審議会」に理事長をはじめ役員が関与していない。
・市の文化施策に積極的に関わっていくことができない。(文化振興審議会で話し合われたことが、ダイレクトに3~4年後の施策に反映されることが多い。)
ということが考えられる。また、加盟団体の中だけで完結することなく。周辺地域の団体とも交流しなければならないのではないかと考えている。
■島田圭一さん
「芸術文化」と「文化芸術」という言葉は全く違う。「文化芸術」という言葉には、「芸術と国」「ナショナリズム」といったイメージが伴い、そのまま「北朝鮮のマスゲーム」という言葉に置き換えても意味が通じてしまう。自分としては「文化芸術」という言葉が大嫌いだ。
… 平成13年に「文化芸術振興基本法」が制定されてから、各自治体で制定される文化振興条例は軒並み「文化芸術」と冠するようになった。練馬区の時は、語義 があいまいな「文化芸術」という言葉を使うべきでないと主張したが、最終的に通らなかった。そもそも行政自体に語義に対する理念がない。
…語義を考え、コンセンサスを持って議論することが大事。

3.座談会
■規範とは
…政治、施策を考えていくための基本的なコンセプト。ただし行政が規範によって芸術を縛ることには問題がある。真の芸術創造を支援するためには、ヨーロッパでとられる「アームスレングスの法則」のような視点も必要。
…規範とは、自分達自身の歴史をふまえて考えるべきものではないか。

■地方と東京
…地方と東京との違いとは、経済性だけだろうか。
…芸術に関する教育自体が東京に集中している。さらにプロとして活動できる人も地方ではわずか。

■文化行政におけるリーダーシップをとれるのは誰か
…自治体では首長の文化に対する意識に相当影響される。実際のところ「市民の声」というものは少ない。
…自治体単位でも、芸術監督が必要なのではないか。

■芸術文化を支援するコンセンサス
…行政に関わる専門家の中にも、芸術文化に行政が支援するということ自体に反対する人がいる
…日本人の中にはヨーロッパのように芸術文化を需要する仕組みが根付いていないのではないか。「美しさ」に関する感覚が欠けているのではないか。だから行政は「芸術文化」と言われてもピンとこない。
…「芸術文化」に対する認識が固定化していないか。美的感覚の固定概念に流されているのではないか。国や地域それぞれのアイデンティティがあり、文化行政を考える際には、必ず様々なアイデンティティの交差がある。
…「文化行政」という言葉は、地域のアイデンティティを確立するための「手段」。行なうべきことは、市区町村、都道府県、国、それぞれの行政単位によって異なる。地方自治の主体は市区町村となってくる。
…地域の文化行政の現場では、「支援を受ける」ということは、同時に必ず受けられないものがあるということを意味する。結果、行政の施策は(公平性を保つため)中途半場なものにならざるを得ない。
…「とりこぼされているもの」は何か。
…行政の中には、現場の声をすくいあげ、実行できる人がいない。コンサートホールを建てるにしても、現場の声を踏まえず使い勝手の悪いものしかできない。
…作品を創る側、鑑賞する側、支援する側が3者それぞれ歩み寄って議論するべき。
…「文化」と「芸術」は違う。また「文化の担い手」と「芸術の担い手」も違い、それぞれが相乗効果を持つものなのではないか。行政のトップで全体を俯瞰できる人がいないのではないか。
…「文化芸術」を定義するということ自体がそもそも不可能なのではないか。

4.今後呼ぶゲストについて
…現代美術家の宮島達男さん(国の政策に積極的に関わっている芸術家)かchim↑Pomのメンバー(行政が定める芸術の規範に疑問を提示する立場にいる芸術家)
…アートが善か悪かの議論は、このプロジェクトでは必要ないのではないと思っている。むしろ国のシステム(助成金制度で人件費を支援できない理由等)について話せる人を呼んだ方が良いのではないか。
…実際のところ、今の文部科学省で行政のシステムについて明解に話すことができる人はいない。自分としては、最近では真鶴町の「美の条例」の担当者の話に勇気づけられた。
…情報法の専門家として白田秀彰さん。

※ゲストについては、次週以降の会合も踏まえ、引き続き検討していくことになった。


(記録:松岡智子)

2009年6月24日水曜日

【第二回議事録】プロジェクト2:「『所有』からアートの公共性を考える」

今週は、先週出された宿題をもとに、
白熱した議論が展開されました。
様々な方向に転がってゆくディスカッション…
果たしてどこに辿り着くのでしょうか?

それでは、第二回議事録(中村み・中村だ作成)を
お届けいたします。

■曽田先生より今後の方針への提案:
「“所有とアートが結びつくということ” という
広く漠然としたテーマではあるが、
これをまずは切り口にしたい」との
コメントがありました。

■ディスカッション:
事前にメーリングリストで募ったトピックからのキーワードの洗い出しと、
マッピングをした後(画像参照)、 それらをもとに、ディスカッションを行いました。
□持ち出しと持ち寄りの違い
・持ち出しはだれか一人が負担 ・持ち出しよりも持ち寄り ・持ち出しは無理している

・損している感じ ・持ち寄った後の問題か?
・持ち寄って終わりだと持ち出し感になるのでは?終わらないためにどこに解消していくか
・ボランティアがいないと成り立たないことを前提にしている企画は疑わしい。
主催者の意図が気になる・ボランティア・持ち出しを強要している気がする
・パブリックアートの維持管理。町内会の議論で「清掃やってほしい」という要望がでたことに違和感

・立川では自主的なボランティアの清掃がうまくいっている
・みんなで共有するためのアートだからみんなで大事にしていくというのが前提では?
・市民参加をうたうと、ボランティアは不可欠。おかしいのは、経済性を成り立たせるために
ボランティアを入れている場合、持ち出し感が強くなる。
・参加したい市民はいるけれど、参加したい市民と来てほしい側(労力のみほしい)がずれていた?
・ボランティア、市民というと、とたんに議論ががちがちになる気がする。
・近所のまつりの、持ち寄り、つまらなかったら帰っていい感じにアートがなるにはどうしたらいい?
・みんなのため、というのが気になる。アートはお祭りみたいにみんなのもの、と思われていないのでは?
・アートに対するボランティアは何かしら得るものはある(お金以外)。
見返りを求めて参加するのでは?
・キラリ☆ふじみ、地域通貨導入(アーツ)、別の経済圏の成立か?
・自主的と無償・見返りを求めない、は違う□ボランティアの問題って何だ? 
・やらなきゃいけない感はハッピーじゃない
・でもボランティアを組織化しないとNPOが継続できない
・ボランティア=自己決定できる(見返りを求める求めない含めて)、
その結果見返りというリターンにこだわる選択もあっていい。マネーのエネルギーは大きい。 
・プログラム中止でボランティアのスタッフの予定が切られた
・ボランティアがアートを説明できない
・使う側から言うと、ボランティアに何をやらせたらいいか分からない

・イベントに関わるボランティアはやりたいからやっちゃう、そこに企画も甘えちゃう、
その結果疲れていやになってしまう
・無償性、自発性、ボランティアの定義=誰からも雇用されていないことが大事
・共=自由? ・継続系ボランティアとイベント系ボランティアのちがい
・イベント系ボランティアに仕事を作るのに苦労する(運営側)
・継続系ボランティアに対しては、その気負いがない
・商店街の人を危機に追いやる開発会社が、商店街活性化のNPOをやっている矛盾。
しかもどっちからも収入も入ってくる
・そのスキームをむしろ学ぶべき?お金が自分たちの中で回っていて新しいお金が入ってこない
・BankARTのカフェはうまくいっている ・経済圏の話も関わってくる
・現場のNPOはボランティアの組織化をうまくやっている
・議論のキーワードとして「所有」「アート」「ボランティア」「公と共と私」

□「公と共と私」重なり合うところ、重なり合わないところ?
 ・マージナル、鶴見俊輔・限界芸術論 ・法律はくっきり、私もくっきり?
 ・福祉も同じも同じ問題意識で語れるのではないか?ボランティアとか自己決定とか
 ・自己決定のためにすべての境界(障害)を取り去るという考え方と、
 そのために分配が必要という考え方と ・派遣村の湯浅さんは後者の考え方では?
 ・所有という言葉だったけど、ひょっとすると自己決定かも

 ・立岩『私的所有論』―自己処分権→生命倫理、あるいは自分と社会の関わり
 ・今回の子どもの臓器提供、公共物としての臓器か、子どもの自己決定か
 ・自己決定=自己責任論にはしたくない。そうじゃない方向へどういけるか。
 ・自己決定よりは所有のほうがすっきりする? ・所有の方が考えやすい
 ・白黒つけないといけない、半端な領域での決定が許されていない感じ
 ・公、という概念は、この場では、法律とか税金とかのエリアでよいか?
 ・経済学の公共財は、国家公共財なんだけど、そこが紛らわしい
 ・所有観の変遷。税金はみんなのものではなく俺のものだと思っているから
 チェックが厳しくなってきた
 ・戦争の経験、公のために死んでいった。公なんてまっぴらだ!
 →その転回が公害。私的の限界。本当の公とは何だ??
 ・払ってしまった税金に処分権はない、本当は意見が言えないとおかしいんだけど。

■ゲスト選定について:
□取材・発表方法:
―訪問と招待
―ゲスト候補としてでていた、「エノアール」は行かないと意味がない
―小グループをつくり、取材、フィールドワークを行い、合宿のときにプレゼンを行う。
□ゲストはいつ頃、どのような方を呼びたいか:
―前半のゲストは自分たちの前提条件をすべてを疑って考えるようなゲスト、
 後半のゲストは理論構築自体に役立つ人
―ゲスト1は7月10日に呼ぶ 予定。

■来週までの課題:
□自身の提案したゲストのスケジュール(講演等)について調べる。
□合宿の前までに行っておくとよいイベントを探す。
□本日の話をふまえて、考えたこと、議論したいこと、疑問に思ったこと を、
 最大800字で木曜昼12時までにメーリングリストへ送信。

■スケジュール管理について:
全体のスケジュールを意識するために、日程表の確認を毎回行う。
合宿までの前半は焦点を絞り込まずに、議論・資料集めを中心に進める。

以 上

今回は少々長い記事となってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回からは、ディスカッションの最後に、議事録担当者による、

フリースピーチが行われることになりました!
どんなお話が飛び出すのでしょうか?また、どんな議論が展開されるのでしょうか?
その模様は、次回更新時に、お届けいたします

2009年6月22日月曜日

プロジェクト1 第2回目議事録

プロジェクト1 戦後の文化行政、美術館、さらにモダニズム建築を考える
神奈川県立近代美術館の歴史から
ブログ担当の篠崎です。第2回目の議事録をアップします。

議事録
第2回参加者の関心事の公表と擦り合わせをしました。
2009.6.19
まず、木下先生より、今回は各人が講座にどういうことを期待しているのか、お互いを知り合う機会にしたいことが話され、用意されたペーパーに沿って説明された。

1 所信表明
今回の講座の4つの目標
(①楽しく終える、②物件にこだわる、③問題を次第に絞る、④目標は「理論構築」)について説明。

①金曜の夜に集まるのだから、楽しくやりましょう。

②「神奈川県立美術館」であり「鎌倉近代美術館」であったものにこだわりたい。
  設立当初のポスターには、「鎌倉近代美術館」と明記されている。設置者の立場、
  利用者の立場から考えていく必要がある。

③時間があまりあるわけではないので、問題を少しずつ絞るのではなく、次第に絞る。

④目標は、理論構築であること。過去の検証だけでは不十分。
  当初、「社会的提言」にしようということも出ていたが、いろんな立場の方が参加されており、
  難しい面があったため、理論構築になった。

2 今後の方針
◇この場をどういう場にしていくのか?

◇金曜以外の土曜から木曜までの情報共有の場をつくり、どのように議論を深めていくか。

◇基礎情報の収集(分担)
  ①神奈川県立美術館についての資料、
  ②県立美術館はどれくらいつくられたのか、などの基礎情報の収集を分担して行う必要がある。

◇ゲスト選定
  ゲストに、だれを呼ぶのか早めに決める。

◇坂倉準三展の見学
  6月27日(土)14:00〜、7月11日(土)14:00〜の2回行う。

◇「美術館はぼくらの宝箱」(神奈川県立美術館 2009.6.6〜9.6)の紹介
  美術館と学校との連携の難しさ

3 自己紹介
  一人3分程度の自己紹介が行われた。

4 問題の構造
◇大きく分けると、美術館と建築保存になる。

◇「箱物」を生かすも殺すも、使い方次第である。「箱物」行政を必ずしもマイナスに考えない。

◇美術館は、鶴岡八幡宮からの借地に建設されたもので、2016年に契約切れ

◇鎌倉の景観をどういう方向にもってこうとしているのか?
  古都保存法(古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法)や景観法などをふまえて
  考察していく必要がある。1966年の古都保存法、90年代後半から景観、文化的景観が
  取り上げられるようになり、2004年に景観法が成立した。
  1951年のモダニズム建築は居場所を失いつつある。

◇坂倉準三展の看板にも、景観を壊すというクレームがついており、
  支柱の取り替えさえもできなくなっている。

◇坂倉展には、美術館の外に1/1で戦時中のバラックが展示してあるが、
  1/1だと鎌倉市は建築物とみなし、建築申請をせまっている。
  このような異なる力が加わっている点にも注目する。
  このバラックと思われる写真がウェブ上にありました。
  
   「組み立て住宅プロトタイプ(1941年モデル)原寸模型」
   http://ameblo.jp/tonton3/image-10267217922-10190337676.html 

5 来週の講座
◇木下先生から、美術館について15分程度説明。

◇どういうことを問題にするのかを口頭で発表。

◇その後、意見交換、問題を立てる。

◇終了後、懇親会。

6 問題関心グループ
 2つの大きな問題についての関心グループ。
 美術館と建築保存に分かれました。 

7 坂倉準三展に見学にいきます。
 6月27日(土) 7月11日(土)と2グループに分かれて行きます。

プロジェクト1 第1回・議事録

こんばんわ。プロジェクト1に所属しています。
ブログ係の篠崎友亮です。
私たちのグループは毎回記録係が代わり、その記録をいただき、私がブログに投稿します。
私は今回がこの講座にはじめての参加になります。文化ということにとても興味を持っています。
どうぞ皆様よろしくお願いします。


市民社会再生  -新しい理論構築に向けて-
テーマ:戦後文化行政、美術館、さらにモダニズム建築を考える      

1.今年度第1回目のオリエンテーション
スケジュールの確認後、講座の進め方の説明、プロジェクトグループの役割分担、
Googleアカウント上での情報共有等、そして各テーマの概要の説明があった。また今年度はテーマごとにプロジェクトチームに分かれて役割分担を明確にしながら進めていき、12月12日のシンポジウム報告に向けての理論構築を目標にする旨伝えられた。

2.テーマの概要説明
その後、プロジェクトチームに別れ木下先生より開講趣旨が伝えられた。*詳細は別紙資料参照のこと
またスケジュール予定での神奈川県立近代美術館リサーチは26日であったが27日に変更、その日が都合がつかない人のため26日も予定どおり実施することとする。

3.役割分担について
リーダー サブリーダー ブログ 会計 MLを決定
記録は順番制

4.次回までの課題提出として配布資料の国立博物館ニュースを読んだ感想を6月19日朝までに、木下先生へメールにて提出。

2009年6月19日金曜日

【第一回議事録】プロジェクト2:「『所有』からアートの公共性を考える」

こんにちは、プロジェクト2に所属しております、ブログ掲載担当の古賀と申します。
私共プロジェクト2のページでは、授業の流れと、議論の内容等を ダイジェストでお届けする予定です。
ブログ上でも、皆様に「市民社会」を感じていただけますよう、一同努力してまいります。
それでは、第一回の議事録(桜井作成)をお送りいたします。
■曽田先生によるプロジェクト説明:「「所有」からアートの公共性を考える」
□「大阪維新」に対する文化に携わる側からの新聞記事を参照しながら…
  「アートは公共財である」という絶対的な価値を常に主張できるのか?
 高みに立った物言いで、一般の人にとって「押しつけがましい」のではないか。
□それに対するオルタナティブな答えを出せないか。
 国や個人という概念に加えて、「地域」について考えてみる。
□ボランティア、NPOなどの在り方 自己決定の無さをどう考えるか。
□経済的価値として現れない「閾値以下」の価値をどう認めるか?
【問題設定】 公共文化施設は、どのようにして公共文化施設になれるのか。
■グループ毎の時間・自己紹介・各係の分担について
□グループリーダー:蔵野 サブリーダー:中村(み)、中村(だ)
□MLなどグループ内の連絡系統の管理:古賀
□グループメンバーの出欠確認と欠席者のフォロー:蔵野
□配分された予算(ゲスト招聘費など)の管理:蔵野
□議事メモの作成:各回二人ずつ担当し、MLに投稿。 編集後、古賀よりブログへ投稿。
■今後のプロジェクトの進行
□各回に次回への課題提示
→ML上に翌週木曜昼12時までにグループ内の各自が投稿
 (最大800字とし、字数制限については読む分量などを考え、随時変更の余地あり。)
→各自読んだことを前提とし、金曜のプロジェクトを進行する。
□次回への課題(1-3は必須) 1)問題提起(各自調べたい、議論したいテーマ)、
 2)1)に関する講義内容・運営方針(調べる方法等)、 3)呼びたいゲストの候補、
 4)おすすめの文献
以 上
いかがでしたでしょうか? それでは次回更新、第二回議事録にて、再びお目にかかりましょう!
 
  

2009年6月15日月曜日

「芸術文化支援施策に関する規範を考える」グループ 第1回

初回ということで、プロジェクトの顔合わせを行いました。


20名という凝縮された人数にもかかわらず、多彩な顔ぶれが集まりましたので、自己紹介も長くなってしまいます。参考までに、どんな方が集まっているか、ずらっと並べてみました。

自治体の文化振興係になったばかりの方。行政の中での文化の位置づけについて議論したいという方。アーティストインレジデンス活動の現場からいらっしゃった方。メーカーでNPOの支援、組織基盤強化、メセナなどを担当されている方。有名な温泉で毎年開催している音楽祭の主催団体で働いている方。文化施設の指定管理団体で、文化センターを担当している方。国や町のまちづくりの総合計画策定などに関わっている方。国の文化政策に関わっている方。市役所で文化行政を担当され、文化協会の役員になられた方。音楽関係のイベントを手がけている方。マーケティングの仕事をされた後、大学院でアートマネジメントを勉強 している方。韓国からの留学生の方。情報通信関係の活用を促進する施策に携わっている方。アートマネージメントについて勉強したいと考えておられる方。学部生の方。NPOで働いていて、お金の動きに関心を持っている方。起業でCSRを担当している方。アートと法律、法律家によるアート支援の研究実践をするNPOの代表をしている人。

その後、グループの進行役となるリーダーと補佐を決めて、いよいよ議論を開始。

まずはこのプロジェクトをどう進めていくかということで、小林先生より、議論への積極的な参加の呼びかけ、予算額の提示、そして「私達の議論にbreak throughを作るような人を呼びたい」という提案がありました。その提案を受ける形で、受講者で意見を出しあいました。

「"文化"とは何か?"芸術"とは何か? まず根本の概念を議論して一致しなければならないのでは?」
「概念は着地点が見えにくい。ケースの方が話しやすいのでは? ばら撒き補正とかアニメの殿堂とかを検証しては?」
「近く、国の文化政策を紹介するプレゼンテーションをやるので、それを持って来てみましょうか?」
「概念は大切だが、宙に浮いてしまう感じがする」
「芸術家にとっての幸せ、アーティストとそうでない人の溝を考えたい」
「芸術の概念、政策、ケースの三段階でいってはどうか?ケースから入るのはわかりやすい」
「文化の本質や芸術の概念の確定も重要だが、具体策に繋がる規範を考えるためには、今まで文化振興というものの対象とされてきたものを把握し、何が対象になり、何が対象になっていないかを共有することが重要なのでは?」
「集まる回数が限られている。議論もするが、計画についても話し合いたい」

ここで小林先生より、「計画のための時間は必要。全体の進め方のアイディアも提示してほしい」という注文が入りました。受講生からは、「時間を節約するために、進行のたたき台を用意してもらえないか?」という提案もありましたが、「あまり進行のお膳立てしてしまうと、この場独自の意味が薄れるかもしれない。メーリングリストをつくるので、そこでの議論にも参加して欲しい。既存の政策をbreakthroughしたいという意識 をもって欲しい。仕事をすれば結果を出せる人がたくさん集まっているのだから、この場ではあえて概念的な議論でぐるぐるする作業も大事だと思う。フリーハンドではなく、問題意識を持って参加して欲しい」。

と、やりとりの途中で教室の退室時間となってしまいました。次回、今後の進行について議論する場を設けることにし、この場は終了。次回は懇親会も予定しています。他のグループの方も、こっそり議論の続きに参加してみては?

2009年6月14日日曜日

公開講座がスタートしました。




6月12日に公開講座の初回が開催されました。
まずはプロジェクトリーダーの木下、曽田、小林より、
問題意識が語られ、その後、グループディスカッションが行なわれました。

今後、ブログでは事務局からの投稿だけでなく、
グループごとに議論の経過もお伝えしていきます。

以下、初回の連絡事項です。
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■ スケジュールの確認
6月12日(金)|プロジェクトリーダーより問題提起
6月19日(金)|プロジェクト作業 ①
6月26日(金)|プロジェクト作業 ②
→ プロジェクト1は、6月27日(土)に
神奈川県立近代美術館鎌倉館を見学
7月3日(金) |プロジェクト作業 ③
7月10日(金)|プロジェクト作業 ④
8月28日(金)〜30日(日)|草津合宿(2泊3日)
10月9日 (金)|まとめ作成に向けた作業 ①
10月23日(金)|まとめ作成に向けた作業 ②
11月13日(金)|中間発表会(シンポジウムリハーサル)
11月20日(金)|まとめ作成に向けた作業 ③
12月12日(土)|公開講座「市民社会再生」シンポジウム
* 初回と最終回は、法文2号館1大教室を会場とします。
* 中間発表会は法文2号館2大教室が会場となります。
* グループ活動では、法文1号館115(木下)、
216(曽田)、217(小林)を使用します。
後期も継続で使用する予定です。   

 ■ 講座の進め方
・ 以下のプロジェクトグループ単位の活動が中心になります。
 1.木下直之「戦後の文化行政、美術館、さらにモダニズム建築を考える」
 2.曽田修司「「所有」からアートの公共性を考える」
 3.小林真理「芸術文化支援施策に関する規範を考える」
・ 合宿や日常の研究活動に1〜2名のゲスト講師を呼ぶことができます。
・ 最終報告書は12月12日のシンポジウムでの発表を目標とします。
・ グループリーダーは、報告書作成までグループ運営を統括していきます。
   
■ プロジェクトグループの役割分担
・ グループ内での役割は以下の通りです。
 1)MLなどグループ内の連絡系統の管理
 2)グループメンバーの出欠確認と欠席者のフォロー
 3)配分された予算(ゲスト招聘費など)の管理
 4)議事メモの作成 → ブログへの投稿
* 上記作業はグループリーダーが担うのみではなく、
グループ内で役割で分担を行なっても構いません。