2009年7月23日木曜日

【第五回議事録】プロジェクト2:「『所有』からアートの公共性を考える」



こんにちは、小中学生は夏休みに入ったようですね。
市民社会再生講座も夏休み!ということで、
夏の風物詩、スイカを囲みつつ、
前半最後のディスカッションを行いました。
今回はその模様を、鈴木(記録)と蔵野(編集)がお伝えいたします。

◆日時:2009年7月10日(金曜日)18:40~20:45
◆アジェンダ:1.合宿についての方向性
    2. ゲストへのインタビュー

1.合宿についての方向性
<決定事項①>タイムテーブルの大枠

1日目 グループワーク1st Cession
    □インタビュー報告会
□立ち位置がペストフの三角形上どのあたりなのか、模造紙・付箋などを用いてマッピング
※キーワードだと感じたことのマッピングなど、幾つかの切り口があった方がベター
2日目 グループワーク 2nd Cession
☐1st Cessionを踏まえてプレゼンの内容の部分作りこみ
    グループワーク3rd Cession
    □プレゼンへ向けて全体の流れの確認
3日目 意見交換会

<決定事項②>合宿までの準備確認
共通のインタビュー項目をベースに新たな切り口を見つけるべく、これぞ!という方々に
お話を伺いに出向く。※質問書は共通書式を使用し、報告は合宿で行う


2.ゲストへのインタビュー

<ペストフの三角形をインタビューの中でどう扱うか?>
1.(ペストフの三角形を引用しながら)ご自身の組織・活動をどこに位置づけていますか?
その組織or 活動の位置づけは、点ではなく面にもなり得ます。
組織or活動上の、利害が絡んでいる主体が、どこに位置づけられるのか。
具体的に、どういう主体なのか。
・「ご自身の活動と公共性についてどう思われますか?」などと
 割と答えやすい形の質問を先にし、三角形を見せながら研究の意図を伝える。
 そして「境目があるとしたらご自身はどこに属されると思われますか?」という流れに結びつける
・聞く対象が誰かにもよるが、この表に至る経緯の説明が必要になる為、
 話をお伺いする中で、最終的にこちらで解釈する場合もある
・三角形は見せないと、あとでマッピング等の作業が控えていることを思うときついかも。
 先方としても何が聞きたいのか、こちらの意図が分かった方が話しやすいのでは?
・人によってはペストフの三角形のスキーム自体がぶちこわしになるかもしれない
・理想のバランスを書いていただくのも案

<ペストフの三角形と「自由・平等・博愛」>
・「自由・平等・博愛」をペストフの三角形に援用したものがあるが、
 これは後から誰かがとりいれた解釈なのか、それともペストフ自身によるものなのか?
・福祉三角形の日本における一番の専門家をお呼びし、「自由・平等・博愛」がペストフの三角形と
 どうつながっているのか聞くのもいい(おそらく公共哲学になるだろうが)
・D.Throsby「文化経済学入門」に、
 「経済的衝動は個人的であり、文化的衝動は集団的である」という言葉が出てくる
・芸術は個人で、文化となると誰かと共有するものになるのでは?
・それと同じように、一人でアートだ、というのでは承認にならず、誰かが承認する。誰が承認するのか?

<アーティストの視点として小林さん>
・とりあえず作ることからはじめる。出来上がったものは意図していたモノだったり
 意図していなかったモノだったりするが、出来上がってから考えることにしている。
 また、自分のために作ることもあれば、社会とのコラボレーションもある。
 その場合社会の方が主導権を持っているのか?
 公共とのコラボレーションをするときは公共が主導権を握っているように感じる。
・作家が社会とかかわった時に初めて三角形のなかで「面」としての広がりが生まれるのでは?
 どこまでそれが広がるか、また境界線はどこなのか、ブレなどが分かると面白い
―合宿で透明なセロファンを三角形の上に広げていくというのも面白い
・アートはコミュニティのまま居続けられるのか?現実としては居続けにくいのでは。
国家(「公」)に行きそうだったり、企業(「私」)にいきそうだったり
・「コミュニティアート」も、財源が政府機関だったら?財源はどんどん政府に依存せざるを得ないような状況だったら?
・アサヒアートフェスティバルも財源は企業
・建前や実体のジレンマなど

<その他インタビュー項目について>
3.市民との関係を考える担当者はいますか?その場合の市民とはどういう人々のことをいますか?
4.市民側のリクエストなどを想定していますか?それに対応するために
 どうのような体制を整えていますか?「持ち寄り」「持ち出し」をイメージできていますか?

・「市民」という言葉について
英語だとpublic relation、まわり、多様性のある人
「みんな」という言葉が一番色がついていなように感じる適語である

7.公共コレクションについてどう思われますか?
8.文化施設へ行く理由はなんですか?

・明快な質問は、ヒントになる言葉が貰えるかもしれないので取り入れるべき。
 実体的な言葉を拾い出して、仮説を検証したり、強固にしたり、壊したり、
 あるいは新しいものを作ったりすればよい
・「コレクション」というと美術館を連想させる。「公共的なアート」と聞いて、
 なにを連想しますか?というような方が答えやすい
・Yes/No Questionで質問が閉じられてしまうので、
 「開かれた」答えを貰えるようにしたほうがいいのでは?
・力みのない質問をし、最初からよろいを見せず、自然に答えてもらえたことを、どう翻訳できるか
・相手に曽田先生のHPの文章+なにかキーワードを伝えておく。それに加えて、
 「なぜあなたを選んだのか?」は説明できなくてはいけない

<具体的なインタビューの方法>
・どなたに誰が聞きに行くか?
・自分で選んだ人+誰かにJoinし、なるべく1人では行わない
・リーダーを決めておき、日程や人数などをメーリスで告知し募る
・グループのページにあるカレンダーに各自で内容を書き込んでUpしておく
・Voice recorderがあるといい


<曽田先生より前半まとめ>
アンケートを答えやすい言葉で作ればかなり作業が進めやすくなるように思われる。
最終的に12月のシンポジウムまでに文化政策とどうつなげるか?つなげようはある。
合宿の時に文化政策のツールとしていったん作り、後半の講義で外部の目を入れ、
検証していく作業を行うようにする。

<スピーチ>
1.川上さん(東京大学4年)
・アウトサイダーアートの質をどう評価していくか
・深瀬鋭一郎さんのお手伝い こんど記録をNPOから出される
・台東歴史都市研究会(ワークショップのスタッフをされる)
2.中村(み)さん(東京大学博士課程3年)
・研究することが好き 研究できるようになって研究者としての社会的貢献の形を探っていきたい
・スイカ割りはワークショップの一つでは!?
(写真:なんと、冒頭のスイカは、メンバーの方のお子様が、安田講堂前で割ってくださったものです!)


第五回議事録は、以上となります。

夏休み中は、メーリングリスト上での議論や、
インタビューやイベントへの参加等、活発に活動してまいります。
その模様も、お届けする予定です!

それでは、皆様素敵な夏休みをお過ごしくださいませ!

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