2009年6月24日水曜日

【第二回議事録】プロジェクト2:「『所有』からアートの公共性を考える」

今週は、先週出された宿題をもとに、
白熱した議論が展開されました。
様々な方向に転がってゆくディスカッション…
果たしてどこに辿り着くのでしょうか?

それでは、第二回議事録(中村み・中村だ作成)を
お届けいたします。

■曽田先生より今後の方針への提案:
「“所有とアートが結びつくということ” という
広く漠然としたテーマではあるが、
これをまずは切り口にしたい」との
コメントがありました。

■ディスカッション:
事前にメーリングリストで募ったトピックからのキーワードの洗い出しと、
マッピングをした後(画像参照)、 それらをもとに、ディスカッションを行いました。
□持ち出しと持ち寄りの違い
・持ち出しはだれか一人が負担 ・持ち出しよりも持ち寄り ・持ち出しは無理している

・損している感じ ・持ち寄った後の問題か?
・持ち寄って終わりだと持ち出し感になるのでは?終わらないためにどこに解消していくか
・ボランティアがいないと成り立たないことを前提にしている企画は疑わしい。
主催者の意図が気になる・ボランティア・持ち出しを強要している気がする
・パブリックアートの維持管理。町内会の議論で「清掃やってほしい」という要望がでたことに違和感

・立川では自主的なボランティアの清掃がうまくいっている
・みんなで共有するためのアートだからみんなで大事にしていくというのが前提では?
・市民参加をうたうと、ボランティアは不可欠。おかしいのは、経済性を成り立たせるために
ボランティアを入れている場合、持ち出し感が強くなる。
・参加したい市民はいるけれど、参加したい市民と来てほしい側(労力のみほしい)がずれていた?
・ボランティア、市民というと、とたんに議論ががちがちになる気がする。
・近所のまつりの、持ち寄り、つまらなかったら帰っていい感じにアートがなるにはどうしたらいい?
・みんなのため、というのが気になる。アートはお祭りみたいにみんなのもの、と思われていないのでは?
・アートに対するボランティアは何かしら得るものはある(お金以外)。
見返りを求めて参加するのでは?
・キラリ☆ふじみ、地域通貨導入(アーツ)、別の経済圏の成立か?
・自主的と無償・見返りを求めない、は違う□ボランティアの問題って何だ? 
・やらなきゃいけない感はハッピーじゃない
・でもボランティアを組織化しないとNPOが継続できない
・ボランティア=自己決定できる(見返りを求める求めない含めて)、
その結果見返りというリターンにこだわる選択もあっていい。マネーのエネルギーは大きい。 
・プログラム中止でボランティアのスタッフの予定が切られた
・ボランティアがアートを説明できない
・使う側から言うと、ボランティアに何をやらせたらいいか分からない

・イベントに関わるボランティアはやりたいからやっちゃう、そこに企画も甘えちゃう、
その結果疲れていやになってしまう
・無償性、自発性、ボランティアの定義=誰からも雇用されていないことが大事
・共=自由? ・継続系ボランティアとイベント系ボランティアのちがい
・イベント系ボランティアに仕事を作るのに苦労する(運営側)
・継続系ボランティアに対しては、その気負いがない
・商店街の人を危機に追いやる開発会社が、商店街活性化のNPOをやっている矛盾。
しかもどっちからも収入も入ってくる
・そのスキームをむしろ学ぶべき?お金が自分たちの中で回っていて新しいお金が入ってこない
・BankARTのカフェはうまくいっている ・経済圏の話も関わってくる
・現場のNPOはボランティアの組織化をうまくやっている
・議論のキーワードとして「所有」「アート」「ボランティア」「公と共と私」

□「公と共と私」重なり合うところ、重なり合わないところ?
 ・マージナル、鶴見俊輔・限界芸術論 ・法律はくっきり、私もくっきり?
 ・福祉も同じも同じ問題意識で語れるのではないか?ボランティアとか自己決定とか
 ・自己決定のためにすべての境界(障害)を取り去るという考え方と、
 そのために分配が必要という考え方と ・派遣村の湯浅さんは後者の考え方では?
 ・所有という言葉だったけど、ひょっとすると自己決定かも

 ・立岩『私的所有論』―自己処分権→生命倫理、あるいは自分と社会の関わり
 ・今回の子どもの臓器提供、公共物としての臓器か、子どもの自己決定か
 ・自己決定=自己責任論にはしたくない。そうじゃない方向へどういけるか。
 ・自己決定よりは所有のほうがすっきりする? ・所有の方が考えやすい
 ・白黒つけないといけない、半端な領域での決定が許されていない感じ
 ・公、という概念は、この場では、法律とか税金とかのエリアでよいか?
 ・経済学の公共財は、国家公共財なんだけど、そこが紛らわしい
 ・所有観の変遷。税金はみんなのものではなく俺のものだと思っているから
 チェックが厳しくなってきた
 ・戦争の経験、公のために死んでいった。公なんてまっぴらだ!
 →その転回が公害。私的の限界。本当の公とは何だ??
 ・払ってしまった税金に処分権はない、本当は意見が言えないとおかしいんだけど。

■ゲスト選定について:
□取材・発表方法:
―訪問と招待
―ゲスト候補としてでていた、「エノアール」は行かないと意味がない
―小グループをつくり、取材、フィールドワークを行い、合宿のときにプレゼンを行う。
□ゲストはいつ頃、どのような方を呼びたいか:
―前半のゲストは自分たちの前提条件をすべてを疑って考えるようなゲスト、
 後半のゲストは理論構築自体に役立つ人
―ゲスト1は7月10日に呼ぶ 予定。

■来週までの課題:
□自身の提案したゲストのスケジュール(講演等)について調べる。
□合宿の前までに行っておくとよいイベントを探す。
□本日の話をふまえて、考えたこと、議論したいこと、疑問に思ったこと を、
 最大800字で木曜昼12時までにメーリングリストへ送信。

■スケジュール管理について:
全体のスケジュールを意識するために、日程表の確認を毎回行う。
合宿までの前半は焦点を絞り込まずに、議論・資料集めを中心に進める。

以 上

今回は少々長い記事となってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回からは、ディスカッションの最後に、議事録担当者による、

フリースピーチが行われることになりました!
どんなお話が飛び出すのでしょうか?また、どんな議論が展開されるのでしょうか?
その模様は、次回更新時に、お届けいたします

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